2011年1月アーカイブ

父親の影響

優秀な人材と一口に言っても、求める人(クライアント、経営者)によっていろんな定義がある。ビジネスが営利活動である限り、最終的には収益、利益を稼ぐこと、につながっているのはもちろんだけど、属しているビジネスの構造、マーケットにおけるポジショニング、自社のカルチャー、などによって、具体的な人材は大きく異なる。広告代理店のクリエイターが、おいしいラーメンを作れるわけではない、というのは当たり前の話だ。

労働集約的なリテールビジネスの場合、集団をまとめるリーダーシップのようなものがより重要だったりする。もちろん、ビジネスにおいて大なり小なりチームワークが重要なのはもちろんだ。でも、技術集約的なビジネスや、資本集約的なビジネスとは違い、リテールビジネス、サービス産業では、価値=収益の源泉が「人」に集約されてしまうため、コミュニケーションとか、説得力とか、人心掌握力とかいったものの重要性が高い。

特に、我々のクライアントのように、あくなき成長を追い求め、グローバルで戦うことをいとわず、本気で世界一を目指す企業において、その経営者をサポートするリーダー人材をご紹介する、ということになれば、なおさらその資質を持っているのかどうか、ということが決定的に重要になってくる。だが、そういった経歴書では見えないものを見分けるのは、なかなか至難の業だし、たぶん100%的中する方法など存在しないと思う。

スキルとか、経験とかではなく、何かほかの判断方法はないかと、社内で雑談していた時に、一つ面白い切り口として「あるかも!」と思ったのが、父親の影響だ。

我々が候補者のより根源的な志向性を判断する際に、どのような家庭環境で育ったのか、を聞いておくことは、比較的一般的なことのように思う。とくに、経営リーダーのように、修羅場でもあきらめない資質とか、コミットメントを求められるポジションの場合、それはスキル経験よりも重要であることが多い。

そこでは、たとえば、小学校の時、食事の席では、どんな順番で家族が座っていて、どんな会話が繰り広げられていて、それに関して、自分はどう感じていたのか、など、些細なことがヒントになる。

で、ここでいう父親の影響、というのは、ポジティブな影響よりは、ネガティブな影響の方が大きいのではないか、ということだ。幼少のころから父親に厳しくあたられ、時に体罰なども当たり前のようにあった、とか、逆に完全な父親不在の家庭に育った、であるとか、父親との関係性で何らかの欠缺性があることが、上記のような資質をもっている人に共通しているという仮説は、意外に判断材料として有効かもしれないと思う。

もちろん、そういう経験をした人がみな、経営人材になる、という話ではなく、あくまで、経験、スキル、コミュニケーション能力、人柄などが申し分ないが、最後の最後、この人は逃げないで立ち向かう人かどうか、ということを判断するときに、父親との関係を聞いてみるというのは、一つの方法として有効だろう、ということである。

まだあくまで仮説にすぎないのだけど、ぜひとも引き続き検証していきたいと思っている。



Author:渡辺健堂
1971年生 北海道出身 北海道大学法学部卒
卒業後、㈱日本長期信用銀行入行。コーポレートファイナンス業務、マーケット部門でミドルオフィス業務に従事。その後、ベンチャー企業を経て2000年にヘッドハンティング会社の設立に参画。2002年に同社代表取締役社長に就任。投資ファンドにおける投資先経営陣確保の重要性に着目、幅広い業界の経営者候補との強いパイプラインを築く。
2006年㈱エグゼクティブ・ボードの立上げに参画、主に金融の他、事業開発、事業企画などを得意とし、経営者発掘と投資ビジネスの融合を模索している。

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