2009年10月アーカイブ

景気の持ち直しと次の日本のカタチ

電子部品メーカー等の受注が上向いているらしい。本
当ならばまあ、日本の経済状況は最悪期を脱したと言
えよう。と言うか多分生産に関してはこれから上向い
てくるのはほぼ間違いないだろう。中国が失速しない
限り。米国も景気後退局面は終わったと宣言したよう
だ。

ただ、国内の消費に関してはまだまだこれから冷え込
みが本格化すると思う。冬のボーナスの減少幅は
13.1%と夏に続く激減ぶりだし、民主党が生活者向け
の様々な政策を打ち出しているが、まあ効果が表れる
のは来年夏以降だろう。

でも、まあ昨年の今頃感じていた世界規模の未曽有の
大不況で全く先が見えないって言う雰囲気はもうな
い。各国の政府主導の様々なうち手が奏功した。勿論
日本の政府もかなり良くやった。その意味で自民党は
ちゃんと最後まで仕事をしたんだと思う。

さて、その後に現れる世界は以前のそれと大きくその
カタチを変えるだろう。今までの日本が持っていたい
くつかの優位性はなくなり、それに伴って元々あった
構造の重要な部分が変化していく。

•人口、特に労働人口の急速な減少
•米国覇権から中国覇権へ、或いは多極化
•資金レバレッジの低下

上記のような変化は、もちろん一朝一夕におこったもの
ではなく、日本では1990年のバブル崩壊から徐々に
その方向性をためしつつ、いよいよ本格化したという
ようなものだろう。

<従来>
・米国の軍事的庇護のもと、工業製品(自動車、電気機械)
生産において外貨を稼ぐ
・稼いだ外貨は、日本国内を循環しつつ、最終的には米国
の債券を通じて米国に流れ込み、米国内の消費を推進
・自民党支配のもとで、高い法人税率と引き換えにした
大企業メーカーなどの技術力向上への財政的支援

<今後>
・労働力の高騰もあり、工業製品生産はもはや日本の
収益ドライバーにはなりえない。
・ただし、高度な知識を必要とする「技術開発」は、今
迄の蓄積もあり、引き続き競争力を持つ
・一方、大国間のパワーゲームは、今迄のような単純
で直線的な構造をもちえない。パワーゲームをマネー
ジする発想が必要となる。

20世紀の経済発展に過剰に適応しすぎたこの国のカ
タチを変えるには相当な発想の転換が必要になると
思う。少なくとも今迄の経緯に縛られすぎる従来の
メインプレイヤー(自民党、大企業メーカーなど)は、
痛みを伴う変革が必要になる。

その流れの中で、政権は自民党から民主党へ、そし
てトヨタは創業家への大政奉還が行われるなど、着々
と布石を打っていっている。しかし、過剰適応の時代を
なつかしむ人々は当分いなくならないし、総体的に
みて、いろんなことが「以前よりも悪くなっている」よう
に感じることが増えるだろう。

でも、仕方がない。いつも思うが、この50年が異例だ
っただけで、個人にとっても国家にとっても、本来
状況はいつも不確定なのだ。


Author:渡辺健堂
1971年生 北海道出身 北海道大学法学部卒
卒業後、㈱日本長期信用銀行入行。コーポレートファイナンス業務、マーケット部門でミドルオフィス業務に従事。その後、ベンチャー企業を経て2000年にヘッドハンティング会社の設立に参画。2002年に同社代表取締役社長に就任。投資ファンドにおける投資先経営陣確保の重要性に着目、幅広い業界の経営者候補との強いパイプラインを築く。
2006年㈱エグゼクティブ・ボードの立上げに参画、主に金融の他、事業開発、事業企画などを得意とし、経営者発掘と投資ビジネスの融合を模索している。

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