2009年9月アーカイブ

人材ビジネスと日本語

ここのところの不況で人材ビジネス、とくに正社員転職のサポートをする媒体やあっせんの業界は壊滅的な打撃を受けている。派遣ビジネスの方が世間的には広く問題視されているので、その陰に隠れてあまり目立たないのかもしれないが、実は同じくらいのインパクトが正社員系のほうにもあるのは間違いないと思う。

以前のコラムにも書いたけど、GDP世界第2位の地位から滑り落ち、人口が減っていくこの国で、人材ビジネスをやるっていうのはどういう意味を持つのかなあ、と考えると、やはり地理的・文化的にアジアというくくりを重要視していかざるをえないのだろうなと思う。でも、日本の人材ビジネスは欧米の同様のビジネスに比べ、世界で成功しているとは言えない。

その原因はやはり言葉の壁かなと思う。とくに、人材ビジネスの場合、カウンセリング的な素養が必要となり、その際に日本語というのが英語と構造的・文化的背景があまりにも違いすぎるため、日本でのサービスが海外へ展開しにくいという側面があるのではないかと思う。

そう考えてみると、技術を応用して製品を作り、世界中に広げていくという20世紀後半の日本の立ち位置と戦略は、本当にうまくはまったのだなあとつくづく思う。要はいい「モノ」には言葉はいらない、というわけだ。とすると、言葉によるコミュニケーションが重要な商材(サービス含む)を広げていくには、今迄とは違う姿勢で臨まないといけないのだろう。

結局、今回の景気回復も、生産主導で若干立ち直りつつあるものの、消費は年末に向けてますますきびしくなりそうだ。その中で、コンシューマ向けの商売をしている会社はことごとくアジアを中心とする国外に目を向けるのは当たり前のこと。そこについていかなければ、人材業界は先がないわけだけど、メーカーに比べて上述のような制限条件をもっているがゆえに、我々は一層の努力と創意が求められている。厳しいけど、前に進むしかない。


Author:渡辺健堂
1971年生 北海道出身 北海道大学法学部卒
卒業後、㈱日本長期信用銀行入行。コーポレートファイナンス業務、マーケット部門でミドルオフィス業務に従事。その後、ベンチャー企業を経て2000年にヘッドハンティング会社の設立に参画。2002年に同社代表取締役社長に就任。投資ファンドにおける投資先経営陣確保の重要性に着目、幅広い業界の経営者候補との強いパイプラインを築く。
2006年㈱エグゼクティブ・ボードの立上げに参画、主に金融の他、事業開発、事業企画などを得意とし、経営者発掘と投資ビジネスの融合を模索している。

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