2009年4月アーカイブ

二つのタイプ

以前から考えていることの一つが、「計画立てて、努力する人」と「流れに逆らわず、対応するひと」の二つのタイプの特徴についてである。前者を計画タイプ、後者を対応タイプと呼ぶことにする。

個人的な考えではあるが、計画タイプの方が世間的に受けがいいだろうなと思っている。なんとなく、小さい頃からコツコツと積み上げて、物事を計画的に進めていく優等生タイプが学校でも家庭でも評価されていると思う。誤解のないように言っておくと、対応タイプは努力していないというつもりもないし、計画タイプが流れに逆らっているというつもりもない。

でも、何かプラスの結果が出た時に、「コツコツ」「努力」「計画」というようなコンセプトを原因として語るような論調が多いなあと思う。でもそれは、世間に受け入れられやすいからであって、ロジカルにそうであったかどうかということとは無関係ではないか。ビジネス誌のインタビューなどで成功者とかに、「どうしてあなたの事業はこんなに成功したんですか?」と質問した場合、「コツコツと計画通りに努力したからですよ」っていうのは、あまり聞かない。

努力したからと言って結果が出せるわけではないというのは、よく見聞きすることだが、一方、努力していなければ結果が出ないというのはそうでもない気がする。結果というものをどう定義するかによるが、自分の望む状況を作ることを結果と定義するなら、努力しなくても結果が出ることなって山ほどある。努力していなくて結果がでた時に感じる一種の「後ろめたさ」は、本来の因果関係とは無関係に、道徳や宗教、文化など、人間が社会生活を営んでいく上で為政者が必要としている民衆の規範がそ
うさせているのではないかと思う。

たぶん、「計画的に努力して」「流れに逆らわず対応する」ことが一番結果につながりやすいのだろう。超あたりまえの話だ。でも、それですら必要十分条件を満たしていない。だから、「人事を尽くして天命を待つ」ということになるんだろうな、と思う。こう不景気になると、この因果関係が逆転し、「結果が出ていないのは、努力していないからだ」という転倒した発想を持ちやすい。計画的に努力して、かつ、状況をよく見極めなくては、そりゃあ結果は出ない。でも、それをやれば必ず結果が出るわけじゃない。

仮説ではあるが、計画タイプか対応タイプかのどちらかに人間の適性は分類されると思っている(まれに、先天的に両側面を高いレベルで持っている人もいるが)。以前のコラムにも同じようなことを書いた記憶があるけれど、個人の人生を考えるなら、自分がどちらのタイプにより近い適性を持っているかを見極めることは、当人にとっても周りにとってもとても、すごく重要だと思う。そして、自分にない適性を持っている人と組んで、互いの違いを尊重して同じ目的のために人生の限られた時間を費やしていくことが望ましい。

最近は「努力の仕方」に関する書物や論説は多く見かけるから、努力型の人間はより自分の適性を伸ばしやすい。一方、対応タイプのハウツーはまだまだ少ない。状況に対応するためには、自分や自社だけではなく、取り巻く環境の変化やパラダイムの変化に対する感度が高くないといけない。計画をたてて実行するよりも高度な能力が必要とされているともいえる。

とまあ、いろいろ書いてきたけど、結局「計画しているほうが楽しいタイプ」と「対応している方が楽しいタイプ」ってだけかもしれない。楽しくないことをやらないで成果をあげるにはチームでやろうぜっていう単純な話。それで結果が出なくても、無理なくプロセスを続けていける仕組みを作ったら、天命がなかったとしても悔いはないでしょう、という元も子もない結論で本コラムを終わりたい(苦笑)。


Author:渡辺健堂
1971年生 北海道出身 北海道大学法学部卒
卒業後、㈱日本長期信用銀行入行。コーポレートファイナンス業務、マーケット部門でミドルオフィス業務に従事。その後、ベンチャー企業を経て2000年にヘッドハンティング会社の設立に参画。2002年に同社代表取締役社長に就任。投資ファンドにおける投資先経営陣確保の重要性に着目、幅広い業界の経営者候補との強いパイプラインを築く。
2006年㈱エグゼクティブ・ボードの立上げに参画、主に金融の他、事業開発、事業企画などを得意とし、経営者発掘と投資ビジネスの融合を模索している。

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