2008年4月アーカイブ

ラストリゾートとしての人材(2)

そういえばかなり以前、上記のタイトルでエントリーを書いたと記憶していて、僕らしいことにその後一向に(2)を出してこなかったが、とりあえずこの機会に書いておこうと思って、思い出したように(2)。

もともと、エグゼクティブボードという企みの根本には、「最後までコモディティにならないものを追い続ければ、個としての自分自身の人生における刺激もさることながら、集団としての組織が取り組むのに値するビジョンとしても、長続きするのではないか」という仮説がある。
好奇心とか、創造性とか、向上心などの要素からなる刺激の本質は変化であろうと思う。
変化とはある時間からある時間の間に対象物がAという状態からBという状態へ移行することに他ならず、結局その差異を見つけるか作るかしなければ、永遠の平衡状態が訪れるのみである。人間は本質的に変化する存在であるがゆえに、反動として「平衡=安定」を求めがちなのかもしれない。

社会という、近代が作り出した巨大なシステムは、本質的に変化するものである人間の生を、限定的ながらも「安定したもの」へと移行させることに成功した。社会が進化すればするほどその安定性は増していく。やがて、個としての人間の本質である「変化」を恐れるようになる。
究極的な変化は、生から死への変化であろう。
変化を前提として生きるということは、自分に対してはメメントモリを前提とし、自分以外の全てに対しては諸行無常を認識することではないか。

外部の安定化こそが社会の進化である。不確実性をなくしていくことは、つまり差異をなくし、状態を平衡に向かわせる行為そのものである。ならば、(1)において書いたとおり、技術の進歩も社会の進化も、すべてはアービトラージによる差異の消滅と同義であるとはいえないだろうか?
価値の源泉が、つきつめると差異に存在し、裁定行為による差異の消滅こそが価値を顕在化させる行為であるなら、最後までその価値=差異をなくさないであろう(あるいは、永遠に新たな差異を生み続けるであろう、とも言い換えられるかもしれないが)領域はどこか?それは、人間である、と結論付けたのだ。

これが、価値のラストリゾートとしての人材、ということで僕が言いたかったことである。
だから、我々のビジョンは、「挑戦と変革」なのだ。

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走るときにやること

以前本欄でも書いたとおり、昨年9月よりほぼ毎日5kmほど走っている。われながら良く続いているなあ、と思うが、前回書いた「記録すること」というのは、相変わらず大事だが、他にも理由がある。
それは、走っている最中に「何をしているか」ということに関連する。
本コラムのタイトルは村上春樹のエッセイに若干似ているが、関係は全く、ない。

走り始めるとき、ハートレートモニターという腕時計+心拍計のようなものを装着する。僕が使っているのはカシオ製のものだが、装着してしばらくすると心拍数がデジタル時計に表示される。最初は75-85くらいだが、少しランニングし始めると、一気に190台を超え時に200台に到達する。
最初に下り坂があるのだが、交差点をわたると上り坂になる。だが、その頃には160台に落ち着く。この心拍数というのは運動強度というものと関係があるらしく、ランニング完了後に消費カロリー数も表示してくれる。走っている最中、これに目をやりながら走る速度を調整したりする。

もう一つ、やっているのは、ipodを聴くということだ。
まあ、これは多くのランナーがやっていることだろう。聴いているのは、ほとんど自分が好きな曲のメドレー(プレイリスト)だが、金曜日だけは、英会話を聞いている。午前中に英語のレッスンがあるからだ。走るときに盛り上がる曲というのはある。それを聴きながら走っていると時々人差し指を空に突き出したり、引きガッツポーズなどしたりするので、通行人は怪訝そうな顔で目を背けたりする(半分冗談ですって)。

そして、もう一つ、やっていること、というか、考えていることがある。
これは結構自分のビジネスマインドに重要な影響を及ぼしていると思うが、それは「全ての物事
がネガティブな方向に進んでいるという仮説」を徹底的に思い込むことだ。
「仕事は、あの件もだめになっている、この件もまったく思いがけず最悪に終わる。そして、プライベート(家庭)も深刻な状況となる」ということを、なるべく本気で強く心に念じて、想像し、その状況になった場合の落ち込みを心の中に再現する。走り終わった後は、頭がとてもすっきりして、クリアに仕事モードに入っていける。最悪を想定しておくと、行動を大胆に行えること、および起こりそうな事態に備えることができること、そして何より最悪のことが起こった場合にパニックにならなくてすむという大きな効用がある。

最近数ヶ月は、ダイエットに関する数値面は踊り場に入り、心理的にはなかなか厳しい局面なのだが、体重計に乗るときにもいつも最悪を想定して乗っているので、たいていの場合は「ほっ、良かった」と思える。

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Author:渡辺健堂
1971年生 北海道出身 北海道大学法学部卒
卒業後、㈱日本長期信用銀行入行。コーポレートファイナンス業務、マーケット部門でミドルオフィス業務に従事。その後、ベンチャー企業を経て2000年にヘッドハンティング会社の設立に参画。2002年に同社代表取締役社長に就任。投資ファンドにおける投資先経営陣確保の重要性に着目、幅広い業界の経営者候補との強いパイプラインを築く。
2006年㈱エグゼクティブ・ボードの立上げに参画、主に金融の他、事業開発、事業企画などを得意とし、経営者発掘と投資ビジネスの融合を模索している。

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