2010年4月アーカイブ

進む!中国・アジアへの事業展開

今週、あるTV番組で当社のクライアントである外食企業が、積極的にアジアに進出している場面を放映していた。
経営者が自ら現地(シンガポールやタイ)に足を運び、出店予定の店舗やメニューを真剣にチェックしている場面が印象的だった。また、海外店舗の運営を任されている日本人店長の発言や動きも活き活きしており、急成長している市場で身体を張って戦っている姿が頼もしく見えた。
私自身も3月に中国・香港を訪問した際に、日本で見慣れた小売業や飲食店の看板が眼に飛び込んで来て、予想をはるかに上回るスピードで日本企業のアジア進出が進んでいることを実感した。

中国やアジア各国への事業展開に際して、多くの企業は日本の経営システム、商品・サービス、マネジメント手法、人材育成等を日本同様に推進し定着させる為、大変なエネルギーと時間を要している。
また、日本のやり方を導入することが難しいと判断して現地の経営チームに経営を任せてしまった結果、日本のブランドとは全く違う別の会社になってしまったケースも少なくないと聞く。
真のグローバル展開を実現するには、どんなにエネルギーや時間がかかっても、少々の失敗を繰り返しても、日本で成功したやり方を世界に拡げていくべきなのであろう。

日本企業がグローバル企業に変貌するか、海外に拠点を持つ外資系企業で終わるかは、やはり人財次第で決まると言っても過言ではない。
先ず、日本人社員に徹底的に企業の理念やビジョンを浸透させ、高いレベルの業務スキルを身につけた海外展開の火種になり得る人材を数多く育成することが重要と考える。
その社員を先兵として進出各国に経営やマネジメントとして送り出し、現地社員を徹底的に育成する。育成された現地社員の中から経営やマネジメントを任せられる人材を選抜していくしかないと考える。

当社のクライアント企業の多くが、既に中国・アジア市場を視野に入れた事業展開に着手しているが、人材採用や育成、経営体制の構築に大変苦労している。
ただ、どんなに苦労しても、間違いなく縮小する日本市場と違い、急速に拡大成長する市場がそこにある事は明白な事実である。
企業の成長を継続的に支援する為に、当社もクライアント企業と協力して、中国での組織体制の構築支援を強化していく。

社員へのこだわりが成長要因

マスコミ各社は日本企業の緩やかな景気回復を伝えているが、それは業界や企業によって大きく開きがあるように思う。

今回は、低迷苦戦する不動産業界において、おそらくこの2年間で一番業績を伸ばした中堅不動産会社の経営者A氏をご紹介したい。
この会社をリーマンショック以降2年間で売上2.5倍、利益4倍に急成長させた要因は、経営者の卓越した先見性や経営戦略に因るところが大きい。
元々、中堅不動産会社でサラリーマンを経験し、約10年前に起業したA氏曰く「住宅はおそらく人生で最も高額な買い物にも関わらず、その価格は極めて不透明である。
また、原材料や建築技術など専門家にしか理解できない部分が多く、消費者がもっと安心して購入できる品質の良い住宅を適切な価格で提供したい、という想いが強かった。」
当時、急成長していた企業に例えて不動産業界のユニクロを目指したそうだ。

A社長が今まで成功している要因はいくつか挙げられる。
第一は、信頼性。決してうそは言わない、約束は必ず守るがモットーとのこと。
私の第一印象は不動産会社の経営者と言うより高校時代によく怒られた間違ったことが大嫌いな体育教師と言ったところであった。話のすべてが明確で具体的であいまいさは一切無い。

第二にマーケティング力。時代や社会や消費者の変化を先読みするのが得意であること。
例えば、リーマンショックの1年前に不動産バブル崩壊を予測して不採算物件を処分し、その後、各社が不良債権で苦戦するのを尻目に、大幅に値下がりした土地や住宅の仕入れを強化したことが最近の事業急拡大を実現させたと言える。

第三は、本質が大事と考える。
A社長に他社に負けない御社の最大の強みはと聞くと、「社員一人ひとりの力とそれが一体となったチームワークです。」と即座に答えられた。
不動産業界を変えるには、その想いに共感してくれる社員の集団にしなければならない。
日本一の総合不動産会社になる為には、日本一の人材集団にする必要があるとも言う。
特にこの数年の新卒採用にこだわり、素直で正直、エネルギーやパワー、思考力や判断力の優れた人材を誠意と熱意を持って採用してきた。
「おそらく、当社の社員は業界一優秀な人材集団です。そしてそれが、これからの当社の最大の成長要因です。」と語ってくれた。

半年前に次のステージ(株式公開や規模拡大)に向け、経営体制を強化したいということで、営業部門、管理部門のエグゼクティブ・サーチを依頼されたのがお付き合いのきっかけである。
A氏は「これからの2~3年が創業以来、最大のチャンス。2年後は売上1000億円、利益100億円を目指して社員一丸となり、チャレンジする。」と力強く語ってくれた。
構造不況と言われ、長いトンネルに入り込んでいる日本や日本企業の中で、経営者や社員の総力次第では高成長できる可能性があるということをあらためて痛感した。
これからもこの会社、A社長の成長から眼を離せない。


Author:竹内薫
1955年生 福岡県出身 78年立命館大学卒
研究開発型ベンチャーの設立に携わったのち、82年(株)リクルート人材センター(現リクルートエージェント)入社。
人材紹介、エグゼクティブ・サーチ、教育研修事業部長、人事部長を歴任。
99年に㈱スピリッツ(人事・採用コンサルティング事業)を設立。
国内企業の成長を人事・採用面で支援する。
06年8月、経営人材に特化した人材サービス㈱エグゼクティブ・ボードを設立。
代表取締役に就任。
経営者及び経営人材の発掘と成長支援をライフワークとする。

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