2009年8月アーカイブ

今、求められるCFO!

最近、事業会社や提携先のファンドからCFOや管理本部長のポジションを依頼されるケースが多く、面談の機会が増えている。

その役割は、企業ステージによって様々で、株式公開を目論む企業では、通常の経理財務の実務に加え、上場に向けた内部管理体制の拡充や組織体制創りなど幅広い業務が要求される。また、日本から海外展開に軸足を移している上場企業では、国内外のグローバル企業で実務経験を積み、語学も含め即戦力を望んでいる。
ファンドから来る案件は、再生・継承・成長拡大のキーワード等で、会計・経営管理の仕組み整備、年次経営計画の策定、資金調達などの業務を期待されるケースが多い。

CFOや取締役管理本部長は、CEOやCOOと共に企業価値の最大化の為、短期中期的経営計画の策定と実行を行う中心的役割である。従って、職務で身に付けた知識やスキルだけでなく、性格、資質や行動特性、立ち振る舞いなど依頼先から意見を求められる事が多い。
例えば、
・心身共に健康かつ健全であるか?
・公平無私で表裏のない、身ぎれいな人材であるか?
・公私混同のない、誠実でうそをつかない人材か?

また、行動特性を確認する為、今まで経験した厳しい局面での身の処し方や転職に至る経緯などについて、客観的な立場でレポートさせて頂くことは珍しくない。

ある再生企業の取締役管理本部長候補の面談を、事例としてご紹介したい。
候補者は経営内容が厳しい会社の管理系全般(経理、財務、人事、総務、広報、IR、法務等)を担当された経営人材が対象である。
一連の面談が終了して、同様の経験でも表情と発言に大きな違いがあると改めて思った。
再建の為に事業や人員のリストラ、金融機関との借り入れを主導したのは共通した事実である。
ただ、それを会社、従業員や取引先の為に、当事者(経営者)として最後まで遂行したA氏の表情は、深みや落ち着きがあり、発言もすべて自らの意志と責任において実行したことが伺える内容であった。まさしく、A氏には経験が身に付いていた。
それ比べ、B氏は第一印象から暗いイメージで、どこか環境や会社や人のせいにする傾向があり、ご本人が一番の被害者のように感じられた。B氏は大変な仕事をされて、苦労が身に付いてしまったようだ。
今も昔も、CFOに限らず、経営者(リーダー)として求められるのは、A氏のタイプである。

この仕事を、ずっとやっていく覚悟!

エグゼクティブサーチの仕事は、企業経営者から直接に依頼を請けることが多く、面接も経営者と同席するケースが多い。
企業業績は大手企業を中心に少しずつ、回復の兆しをみせているが、日本及び日本マーケットが構造的に抱える課題は山積みである。国際間の競争に打ち勝ち、多様化する顧客ニーズに応えられる事業に転換する為には、多大なエネルギーと時間がかかると容易に想像できる。

経営者は常に短期的、中長期的な経営責任を問われる立場にいる。
その為、経営幹部や社員に対して、企業の理念や方針を正しく理解させ、事業計画の達成に貢献して欲しいという期待は極めて高い。そして、時代や社会が大きな転換期にある昨今、強烈な危機感を抱いている。
その思いを社員、特に経営幹部に如何に伝え、危機意識を共有するかが重要だ。しかし、実態は会社の規模が大きくなればなるほど、危機意識の共有は困難になる。いわゆる、大企業病である。

当社のクライアント企業であるアパレルSPA企業のA社は、各社が業績低迷に苦しむ中、企業業績は昨年対比を大きく上回り好調に推移している。
しかし、経営者の目線は、既にその先の事業のグローバル化を推し進める事にある。世界の名だたる企業との競争に打ち勝ち、世界No.1になることを本気で目指している。

その気持ちが、採用面接時にも垣間見られる。
例えば、面接の最後に「Bさんは、異業種から全く肌違いの業界に飛び込んで頂くわけですが、この仕事を一生の仕事とする覚悟を決めて下さい。」と確認される。
経営者としては、これからの会社の挑戦は、今までにない高いハードルであり、多くの困難や厳しい戦いになると予想している。その為、自身のキャリアアップや、キャリアチェンジという安易な気持ちでは、お互いにとって不幸になるとも考えている。

それを考えると、何も転職だけに限らないだろう。
日本という国や市場は、今、大きく構造変革を余儀なくされている。
企業経営者も、そこで働く従業員も、経営や仕事に対する意識を大幅に高めて、自身の最大限の力を発揮し、挑戦して行かねばならない。
大変だが、この仕事を一生やっていくという覚悟がなければ、人間の本当の力は出てこないのでは!


Author:竹内薫
1955年生 福岡県出身 78年立命館大学卒
研究開発型ベンチャーの設立に携わったのち、82年(株)リクルート人材センター(現リクルートエージェント)入社。
人材紹介、エグゼクティブ・サーチ、教育研修事業部長、人事部長を歴任。
99年に㈱スピリッツ(人事・採用コンサルティング事業)を設立。
国内企業の成長を人事・採用面で支援する。
06年8月、経営人材に特化した人材サービス㈱エグゼクティブ・ボードを設立。
代表取締役に就任。
経営者及び経営人材の発掘と成長支援をライフワークとする。

2016年2月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

カテゴリ

Powered by Movable Type 4.22-ja