2009年6月アーカイブ

仕事ではなく、生き方の選択

出口の見えない景況の中で奮闘されている旧知の経営者とのお話。エグゼクティブサーチの仕事とは似つかわしくないかもしれませんがご容赦下さい。

A氏は新卒で大手総合商社に入社。順調に仕事で成果を上げ、20代で企業派遣に選抜され渡米し、MBAを取得。
帰国後、まもなくして商社が出資しているベンチャー企業のCOOに就任し、経営全般を担当。ある程度の企業にまで育て上げたところで、本社への帰任を命じられ復帰した。
お世話になった会社で何とか貢献しようと努力するも、大組織のメカニズムに適応出来ずにあるファンドの依頼で成長途上のサービス業界の会社のCEOに転身。数年に渡り、昼夜を問わず陣頭指揮を執り、業界である程度知られる企業にまで成長させた。

その最中、ファンドの事情でこの会社を他の事業会社に売却する話が持ち上がり、必然的にA氏はその役割を離れることになる。
このようなことは、最近では珍しくないことかもしれない。

A氏は、今までの経験を活かし、再びファンドの経営者案件か、事業会社の経営幹部案件を希望している。私はその依頼を受け、現在、案件をサーチしている。

その一方で、古くからの付き合いの方と久し振りの再会をした。そして、私の人生で一番大事なものは<旬の時間>という話に賛同頂いた。若き日に成し遂げたかったことは? 本当に興味や関心があることは?一番大事な人は?など心の奥底にずっとしまっておいたことを話し合うことになった。

そして、A氏は今、たまたま自由になった時間を利用し、生まれ育った地で地元の人達と協力して、地域の活性化事業に取り組めないかを期限を決めて模索している。

多くのビジネスマンを見てきて、人が本当に輝いて見えるのは、その人が本当にチャレンジしたいことに向き合っている時と痛感している。また、自身の成功は、人からとやかく言われるものではなく、自身で評価すれば良いとも考える。

社会や時代が、そして日本が大きく変化する中で、再度、自分の本質を見つめ、本当になりたい自分を発見し、それに大事な時間を賭けてみる。それが今までのビジネスの延長戦でも、新たな環境でも。
いずれの道もそう簡単ではないが、自分自身で進む道を決めることが重要なのでは・・・

結果として、どんな生き方を選択するにしろ、この仕事を通じて知り合ったA氏とはこれからも良いお付き合いをさせて頂きたい。

エグゼクティブサーチ事業を進化させる

ここ最近の報道では、日本の景気は底を打ったと伝えられているが、果たしてそれを実感できている経営者やビジネスマンがどれ位存在するか疑問である。

エグゼクティブサーチ業界も、ご他聞に漏れず1年前に比べると案件数は激減し、加えてハイスペック&ピンポイント傾向が高まっている。

また、経営者や経営幹部として活躍されているエグゼクティブも、ご本人の責任であるならばいざ知らず、世界不況の影響を受けポジションを追われるケースも数多い。

今回は、人材ビジネスの立場を離れて、これからの中途採用マーケット(企業・個人)を客観的に見据えた上で、進むべき方向を考えてみたい。

先ず、企業経営者の立場で考えると「今までの中途採用は、本当に必要だったのか?」ということ。
・経営者は日本及び日本経済の成長鈍化を実感しつつも、業界内競争を意識しすぎ、相変わらず右肩上がりの事業計画を組んでいなかったか?
・外部からの採用の前に、社員の計画的育成や適材配置、ワークシェアリングについて知恵を使ったか?
・業務の無駄を徹底的に排除し、効率化にこだわってきたか?
・上記のことを意識しつつも、好不況に合わせて手綱を緩めたり、引き締めたりしてきたのではないか?
・今回の世界的不況が、日本及び日本企業の制度疲労の実態を、たまたま露呈させただけではないのか?

その反省を踏まえ、これから求められる<本物の経営者、経営人材>とは?!
今まで身に付けた経験やスキル、強いリーダーシップとマネジメント能力によって企業成長に大きく貢献した実績に加え、時代・環境・顧客の変化を敏感に察知し、過去の成功に胡坐をかくことなく、本質的なチャレンジを強い意志で継続できる人材が必要とされている。

当社は、エグゼクティブサーチ事業を「人材流動ビジネス」として捉えるのではなく、「経営者育成、事業成長支援ビジネス」として捉えている。
これからの厳しい時代に必要とされる、経営人材の資質について深く考え、責任ある経営という仕事を任せられる人財を今まで以上に発掘し、活躍する場を提供していきたい。


Author:竹内薫
1955年生 福岡県出身 78年立命館大学卒
研究開発型ベンチャーの設立に携わったのち、82年(株)リクルート人材センター(現リクルートエージェント)入社。
人材紹介、エグゼクティブ・サーチ、教育研修事業部長、人事部長を歴任。
99年に㈱スピリッツ(人事・採用コンサルティング事業)を設立。
国内企業の成長を人事・採用面で支援する。
06年8月、経営人材に特化した人材サービス㈱エグゼクティブ・ボードを設立。
代表取締役に就任。
経営者及び経営人材の発掘と成長支援をライフワークとする。

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