2007年12月アーカイブ

良い人を考える! その3

その3-解り易さ

前項の人物、性格に含まれるかもしれないが、ここでは重要なことなので分けて説明したい。
先ず、ある実例をご紹介したい。

1部上場企業の幹部候補としてA氏の面接を社長以下役員数名と実施したときの話。
彼は日本を代表する国立大学理工学部を成績優秀で卒業し、国内系大手電子機器メーカーの開発部門を経験後、事業企画部門に異動する。
その後企業派遣で米国の大学院に進み、マーケティングのMBAを取得し帰国。その後もとの会社に復帰したが、まもなく外資系の経営コンサル会社に転身した。
今回再度、事業会社の新規事業立ち上げの仕事がしたいと応募する。

まさしく書類上はビジネスエリートを絵に書いたような人材である。
また私も1時間程度個別に面談したが質問にたいして適格に答え表情もバイタリティー、自信にあふれた一見何も問題がないようにも思われたが、何か心に引っかかっていた。
結果は役員による面接で不採用となった。
役員全員の意見をまとめて言うと「彼の本当の顔が見えない!」ということだったと思う。
確かにビジネスマンとしてのスキルは高いが、彼の長所・短所、どんな時喜び、怒るのか?また、達成や挫折を感じたりする時は?仕事の進め方はどうなのか?
約1時間30分程度の面接なので、果たして本人としてもどこまで説明できたが疑問ではある。同席した感想は、確かにすべての質問に対してはきはきと応えていただいた。しかし本人がどこまで自分で考えているのか、どこまで実際に経験したのか、非常に解り辛く話が腹に落ちないという感があった。
また私だけとの面談と役員との面談で、一部一貫性の無いつじつまの会わない説明もいつくかあった。

誰しも自分を良く見せようという願望はあるが、度を越してしまうとその人の人間性が理解できずに一緒に働くことが不安に感じてしまう。また仕事はチームでやるものなので、性格的な長所・短所はわかりやすい方が周囲のバックアップを得やすいし、チーム全体で補完することでよい結果を早く出すことができる。

私は新任管理職に贈るメッセージで、「あなた自身の旗印を掲げて周囲に理解してもらうことが最も重要です」ということを申し上げる。
マネージメントの役割のひとつが、方針や戦略を打ち出し、組織を束ねて最大の成果を出すことであるならば、先ず管理職自身の性格・考え方・価値観を正しくメンバーに理解してもらうことが前提にあると思う。
従って10人の管理職がいれば10パターンのマネージメントスタイルがあっていい。
会社もその人を信頼してマネージメントを任すわけで是非、自分らしさを充分に発揮していただきたい。

良い人を考える!その2

その2-人物重視

採用面接時や昇進昇格評価の際に良く使われる表現である。
さてこの人物重視とは、具体的にどういうことを指して言うのであろう。
その前に私の根拠の無い意見を申し上げると、企業が順調に成長している段階においての採用・評価基準には、人物面というより過去の実績・即戦力となりうる知識・スキルなどを重視する傾向が強いように思われる。おそらくその企業の商品、サービスが顧客に受け入れられ、経営者も自身の戦略・方針にそれなりの自信を持ち、現場もそれを理解し、正しく機能している状態にある。従って経営者から見ると、現状を大きく変えるというより、従来の方針を正しく理解し、職務専門性を充分発揮してもらうことが企業にとって最重要なのであろう。
但し、こういう企業でも経営幹部職の採用・社内登用ついては、多分に人物も重視する傾向が強い。

これに対し、創業期のベンチャー企業や変革に迫られている大企業においては、具体的なスキル・経験・実績もさることながらその人の持つ性格、人間性が極めて重要と考えている。
これは、当社がこれらの企業の採用面接や人事評価などの仕事を手がける中で、実感として感じている。これは経営者からすると、新しく事業を立ち上げたり、既存の事業の仕組みを大きく変える必要のある場面においては一人一人が正しい情報を入手し強いチームワークをもって組織力を発揮することや自らが当事者としてまさしく身体を張って役割をまっとうすることが極めて重要と考える。正解の無い仕事を任せるには、その人そのものに対する期待が大きいということか…。

したがって人物重視というのは、その人の持つ素直さ・誠実さ・目の前の困難から逃げない責任感・性格的な強さ・挑戦心などから得られる、人間としての信頼性を指していると思う。
本当はすべての企業にとって最重要であると考える。


Author:竹内薫
1955年生 福岡県出身 78年立命館大学卒
研究開発型ベンチャーの設立に携わったのち、82年(株)リクルート人材センター(現リクルートエージェント)入社。
人材紹介、エグゼクティブ・サーチ、教育研修事業部長、人事部長を歴任。
99年に㈱スピリッツ(人事・採用コンサルティング事業)を設立。
国内企業の成長を人事・採用面で支援する。
06年8月、経営人材に特化した人材サービス㈱エグゼクティブ・ボードを設立。
代表取締役に就任。
経営者及び経営人材の発掘と成長支援をライフワークとする。

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