2007年10月アーカイブ

自らの意志で自らのキャリアを創る

エグゼクティブ・サーチの仕事を通じて知り合い、同世代ということもあり定期的にお会いして、仕事だけでなく家族や人生について一杯やりながら何でもフランクに話し合える方にN氏がいる。

N氏は現在、世界的に有名なイタリアのラグジュアリーブランドの日本法人トップとして活躍している。
学生時代から頭脳明晰なN氏は大学で理数系を専攻するも、ファッション(特にものづくり)に対する強い興味を捨てきれず、国内繊維メーカーの生産現場を希望して就職した。
入社後、この会社がイタリア事務所を開設にするにあたり、語学が出来て素材が解るということもあり、初代メンバーとして派遣された。ここからN氏は自分自身も予期しなかった大きなチャレンジを繰り返すことになる。

現場やお客様を大事にするN氏は、誰よりも多くの時間を生産現場やお客様との時間に費やし、まさに寝る間も惜しんで働いていたと思う。
そんな日本人N氏の仕事ぶりが、当時欧州で台頭してきたブランドの経営者の眼に留まり、スカウトされる。
N氏はそのブランドをアジア、オセアニア、ハワイに拡販するミッションを任され、1年の200日以上を海外出張で飛び回り、グローバルブランドに育てることに大いに貢献した。
おそらく、ファッション業界でその時代にその年齢で世界をまたにかけて活躍していた日本人は稀であったと思われる。

20代~30代に欧州企業で、しかもマーケットも海外で大きな成果を収めたN氏の40代のチャレンジは、フランスのブランドの日本マーケットでの展開と拡大であった。
今では世界中の誰もが憧れとするこのブランドの日本進出初期から参加し、国内でゆるぎないブランドに育てたことは言うまでも無いが、N氏は世界のアパレル業界(特にラグジュアリー分野)で通用する多くの日本人を育成したことも付け加えておきたい。

そのN氏に当社からある大手アパレルメーカーのCOO候補(現年収2倍の案件)を提示したのだが、N氏は熟慮の結果、冒頭の会社を選択された。
結果として私の仕事は失敗したが、その理由を聞いて私はN氏ともっと深く長くお付き合いしたいと思った。
以下がそのコメントである。

①この会社の経営者とは古くからの友人で、会社をもっと良くする為に自分にしか出来ない役割がある。
②大学生の息子がファッションに興味があり、出来ればイタリア現地で勉強させたい。今まで仕事で忙しくて 父親らしいことはなにもしていないので…
③イタリアという国が大好きで将来はこの国で夫婦で生活したいと思う。竹内さん、是非遊びに来てください。

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40歳にして惑う!

20数年間、多くのビジネスマンのキャリア支援や相談を請けてきたが、20代~30代前半のビジネスマンに比べ40前後のそれはかなり共通点があるように思う。

前述したように、私自身もお世話になった会社を卒業し起業したのは43歳だった。
本音を言えば37~8歳くらいから悶々と悩み始め、意思決定を先延ばしにして今決断しないと一生後悔すると確信したのがこの年齢だった。言い換えれば、その決断がなければ今も会社を辞めずにいたかもしれない。それだけ在籍した会社や仕事や仲間に恵まれていたのだと思う。

若くして起業した経営者は別として会社務めを経験した後、起業した経営者の多くはこれしかないという確信を持って会社を辞めるケースより、不況や転勤など会社を辞めざるを得ない状況があったり、大組織の管理職という役割に疲れ果てたり、家庭や個人的な事情がきっかけとなることの方が多いように感じる。

おそらく、その年齢になると会社における自分の将来がある程度はっきり見渡せるようになり、上司や先輩の仕事や生活を自分と投影してみて、ある意味自分の近未来を客観視することができるようになる。また、人生80年とは言え職業生活においては長くて20年、心身ともに旬な時間はと言うと10年~15年しかないと誰もが肌で感じているのかもしれない。

実際、起業に限らずキャリア相談でお会いする多くのこの世代の方からは、上記の話を伺うことができる。私がその度ごとに申し上げるのは、転職するも、起業するも、現職に留まるも、いずれもリスクはある。しかし一番してはいけない間違いは、どういうキャリアを選ぶか、大げさに言えばどういう人生を歩むか、と言う事を決めず何年も中途半端な時間を過ごすこと。会社はそういう人材を長く抱え込むほど甘くはない。

当社の宣伝になるかもしれないが、当社は転職促進サービスを提供しているのではなく、企業や個人の成長支援サービスを提供している会社。ご本人のキャリアの方向付けの整理をお手伝いし、その結果、転身を意思決定した方を支援させて頂く。
成功の有無は、人から評価されるものではない。

是非、自身の人生の成功者になってください!


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志!(母国の発展に貢献したい!)

お会いした多くの人の中で、印象に残る一人がB氏(32歳)です。
現在は、モンゴルでエネルギー、情報通信、建築、食品・日用品、衣料、小売・サービス業を幅広く手がける企業グループの経営幹部として活躍しています。

B氏との出会いは数年前、国費留学で来日し一橋大学にてマーケティングを学び、ビジネススキルを身に付けたいと戦略系コンサルタントとして3年弱経験した頃でした。
開口一番、B氏から「将来はモンゴル国の為、モンゴル人民の為に役に立つ人間になりたいと思います。その為に、今までマーケティングとファイナンスを学び、コンサルティングファームで事業開発や事業企画に携わってきました。次は実践の場として事業会社でマーケティングや事業そのものを経験し将来はモンゴルで起業したい」と言われました。

20代後半で自身のキャリアプランを明確に持っている方は極めて少なく、さらに母国の為、人民の為と決意し具体的な努力を積み重ねてこられたB氏のお話を聞いて感激したものです。また、早くから欧米、日本にも眼を向け活躍する場所を自国だけでなく、世界と決めているB氏を見ていると先祖であるジンギス・カンを想像してしまいました。

ご相談の上で、当時急成長を遂げて欧米及びアジアへの展開を始めていたアパレル小売企業への橋渡しをさせて頂き、今もお付き合いをさせて頂いています。
入社後しばらくして、本来の業務とは別に会社にもっと貢献したいと考え、トップにモンゴルの良質なカシミアを材料とした商品開発を提案したところ承認され、商品化に向けてプロジェクトリーダーを命じられたとのことです。
B氏が手がけたカシミア商品は今ではその会社の大きな収益の柱となり、我々消費者もその恩恵に預かっています。

それから約2年後にB氏が私の前に現れ、「仕事でモンゴルを訪れるたびに、ものすごいスピードで変わっていく国や社会や経済や国民を見ると、今モンゴルに戻り事業を立ち上げないと手遅れになると思う。何をやるかは決めていないが、帰国して起業準備をすることにした」という言葉を残して帰国しました。
半年を経過した頃、創業間もないモンゴルのベンチャーに参加し、事業開発の仕事を担当し、その数年後、その企業は冒頭の企業グループへと成長を遂げました。

B氏の第一印象は決してエネルギッシュですごさを感じるタイプではなく、とても穏やかで優しい朴訥とした人柄で誰からも好かれる人です。
私の知る限り、B氏は自らの人生を自らの意志で決めて行動に移してきました。そのエネルギーの根源になっているのは、大きな志であることに疑う余地はありません。

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Author:竹内薫
1955年生 福岡県出身 78年立命館大学卒
研究開発型ベンチャーの設立に携わったのち、82年(株)リクルート人材センター(現リクルートエージェント)入社。
人材紹介、エグゼクティブ・サーチ、教育研修事業部長、人事部長を歴任。
99年に㈱スピリッツ(人事・採用コンサルティング事業)を設立。
国内企業の成長を人事・採用面で支援する。
06年8月、経営人材に特化した人材サービス㈱エグゼクティブ・ボードを設立。
代表取締役に就任。
経営者及び経営人材の発掘と成長支援をライフワークとする。

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