2011年5月アーカイブ

1ヶ月ぶりの更新です。

 

さて、前回日系企業が中国に進出して成功する人材マネジメントの方法として、下記の2つしか無いと申し上げました。

 

1. 完全現地化
2. 日系らしく日本のマネジメントを貫く

 

今回は2.についてお話したいと思います。

 

そもそも、日系企業の多くは、総合職として新卒を採用し、さまざまな業務を経験させるプロセスを経て、ゼネラリストを育成していく考え方を持っています。
例えメーカーでエンジニアとして就職した後ですら、人事や広報に異動になるケースもあります。
しかし中国では、新卒でも職種別採用なので、大学で学んだことと就職する際の職種に関連性があるケースが多いと感じます。
また日本では、新卒で入社してからの転職率は、最近では3年で30%と言われますが、大手企業に限って言えば、未だ1~2%程度です。
この状況も中国では大きく異なり、新卒入社後の離職率は3年で50%以上です。また、これは大企業でも高く、転職が一般的な社会であると言えます。
さらに、業務範囲外の仕事に対する要求や地域間異動についても、日本なら正社員として入社したのだから、従業員がそれを受け入れることは「当たり前」として考えられています。
これも中国では大きく異なり、業務範囲外の仕事を依頼しても、素直に受け入れられることあまりなく、地域間異動を伝えれば、即退職というケースも非常に多いのが実態です。
こういった文化の違いの中で、日系企業が日本と同じようなマネジメントを従業員に対して行えば、自ずと結果は見えてきます。

 

多くの日本人は、こういった中国人従業員を見るたびに、「中国人は働かない」、あるいは「中国人はわがままだ」と感じていることと思います。私も個人的には「企業戦士」でしたので、こういった感覚を持っていないといえば嘘になります。その一方、「成果を上げる」という目的志向を貫くのであれば、こういった中国人を人材として活用していかなければなりません。
では、こういった日本人と中国人の仕事や会社に対する考え方の違いは、生まれつきの問題なので、解決不能なテーマでしょうか。

 

答えは「No」です。

 

多くの中国人がこのような考え方を持った背景の一つをお伝えしましょう。

 

そもそも中国では、日本で言うところの「正社員」であったとしても、入社して一定期間は期間の定めのある「契約社員」だということです。
一回の契約期間は1~3年で、その契約期間が満了した場合、契約を更新されないリスクが常に労働者側に存在するということです。さらに、2回目の更新以降は無期雇用になりますが、最長6年間は契約社員として扱うことができるということです。

 

日本に比して、労働者の雇用が守られた環境ではありません。もちろん中国でも、日本で言う中年以上の転職は厳しいですから、若い間に専門スキルを身につけ、転職しながら給与をできる限り上げ、転職が難しくなる年齢になった頃には、リタイアか自分で小さなお店でもやりたいというのが、多くの中国人の希望だと言っても過言ではありません。

 

つまり、長い時間をかけてゼネラリストを育成していこうとする日本企業の考え方は、この国には適さないというのが結論です。

 

では、こういった日本的マネジメントが不可能なのかと言えば、必ずしもそうではないと思います。

 

次回は、中国でも日本的マネジメントを貫くための手法についてお話したいと思います。 


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