2011年4月アーカイブ

中国人気質

 大変ご無沙汰しております。

さて今回は、ようやく私たちの専門である「人」についてお話しましょう。

 

昨日、南京・北京に出張に行って参りました。どちらの街も、都市としての発展は目覚しく、来る度にその変化に驚いてしまいます。今回もいつものように、北京空港から上海虹橋空港まで飛行機に乗り帰ってきました。その飛行機内での出来事から、中国人気質の一端をお伝えしたいと思います。

 

北京で飛行機に乗り込むと、前の座席に一人の男性の若者が座っていました。

彼はiPadを徐に開きゲームを始めました。ここまでは、日本でも良く見かける光景かもしれません。ただ、機内は比較的混んでいるにもかかわらず、彼はヘッドホンをせず、音量をかなり大きくして遊んでいることを除けば。

そうこうしている内に、飛行機はスポットを離れ離陸準備に入りました。当然、彼は走行を始めた機内で注意され、ようやくゲームを終了しました。離陸してしばらくすると、食事の時間になりました。彼は私よりも早く食事を終えるとともに、その終わった食事をトレーごと、自分の座席の下に置くではありませんか。

私は少し伸ばしていた足をすくめ、彼のために彼の座席の下を空けました。そうすると、彼は早速しまっていたiPadを開くとともに、離陸前と同じゲームを大音量で開始しました。

その後、CAの方が食事を片付けに来ましたが、彼の机の上には既に食べた後のトレーはなく、あるのはiPadだけ。彼は食事を片付けに来たCAに自分の食べた後のトレーが座席の下にあることも告げず、ただ自分のやるべきこと(ゲーム)に集中しているだけでした。

私はCAに座席の下を指差し、ようやく片付けてもらって、足を伸ばすことができるようになりました。

 

彼の行動は、一般的な中国人ではありません。私も中国国内で何度も飛行機に乗りましたが、このような光景は初めてです。しかし、彼が取った行動の裏にある心理は、一般的な中国人と言えるかも知れません。要するに、自分のやりたいことをやるということです。これは決して批判ではなく、ひとつの評価であると捉えて欲しいのです。

 

今回の大震災において、中国系のメディア(中国本土はもちろん、香港や台湾も含め)は、被災された日本人の行動に感心しています。具体的には、自分の家族を失ったにもかかわらず、メディアの前で泣き叫ぶことなく淡々と自分の気持ちを表現する姿や、避難所で配布される支援物資を、整然と並んで、かつ自分の必要な量だけ受け取る姿に、驚きと尊敬の言葉で報道していました。

 

他人の迷惑を最大限に考慮しながら行動する日本人にとって、自分のしたいように行動する中国人の姿は理解し難いものになりがちです。中国にある日系企業の多くは、このような中国人従業員に日々頭を悩ませているのも事実です。

 

しかし、モノは考えようです。自分のやりたいことには全力で集中して行動する中国人は、ある意味で大きな戦力にもなるわけです。つまり、日系企業だろうと内資企業であろうと、従業員にとってその仕事やその場が、やりたいこと、場所になれば良いだけです。そういった環境を提供することこそに集中すれば、一見わがままに見える中国人は物凄く大きな戦力に早変わりするということです。

 

私の個人的意見としては、日系企業は従業員に甘えすぎているのではないでしょうか。残業するのは当たり前。会社に滅私奉公するのが当たり前。自分の意見を曲げてでも会社のために尽くすべき。(この考え方が、過去の企業不祥事の温床ではないでしょうか)この考え方自身を、日系企業が海外に進出した場合に変えるべきであり、これを持ち込んで成功することは非常に難しいと思うべきではないでしょうか。

 

こういった話を現地の日系企業Topに伝えても、多くは「本社の意向で・・・」と変えられないのも事実です。そんな時、別の観点から考えてみましょう。

 

中国人は、DNA的に協調性が無いわけでもなく、わがままなわけではありません。単に、環境がそうであるだけで、本質的には日本人とまったく同じ「人」です。つまり、環境によって日本人であろうと何人であろうと、考え方やそれに基づく行動は大きく変化するということです。

 

中国人の転職のお手伝いをしていて感じることは、日系企業経験者は、日系企業的マネジメントに慣れているということです。さしてわがままでもなく、会社のために働くという概念を、一般的な中国人よりも多く認識しています。

 

これらの事実から考えると、最も日系企業が中国に進出して成功する方法は、下記の2つしか無いということです。

 

1. 完全現地化
2. 日系らしく日本のマネジメントを貫く

 

1.の場合は、仕事環境を徹底的に中国人従業員にとって「働きたい」と思う仕事・場にするということであり、2.の場合は、徹底的に日本的マネジメントに慣れさせるということです。

 

いずれも、言うは易し行うは難しですが、大きな目標が「ビジネスの成功」であるならば、議論の余地は無いのではないでしょうか。

 

長くなってしまったので、今回はこのぐらいでやめておきます。次回は、特に2.の場合の方法について議論したいと思います。


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